グルテン過敏症は体の病か、心の病か
Good Morning!
昨日、ついに速読会が始まりました。
結論から言うと、めっっっっっっっっちゃ楽しかったです。これを毎週続ければ、予防の知識が常に最新状態を保てますし、論文の読み方(枝葉の捨て方含め)も血肉になること、間違いなしです。
一歩踏み出してよかった!参加者の皆様、ありがとうございます!!
このメルマガでは、第1回で読んだ論文をさらっとレビューしていきます。
面白い論文、目白押しでした。
1: 転倒防止のためのコーチング介入
British Journal of Sports Medicineより。
高齢者に対し、転倒防止のためにコーチングをするという介入を行い、運動量などのアウトカムをみたクラスターRCT。
結果は、めちゃくちゃきれいな「効果なし」でした。
secondary outcomeをたくさん調べていますが、運動量に全く効果がない+open labelなので、あまり参考になる知見はなさそうでした。
このようなimplementation scienceのRCTだと、主観的なoutcomeを測定すること自体がvalid出ない可能性もありますね。
2: グルテン過敏症は体の病か、心の病か
The Lancet Gastroenterology & Hepatologyより。
自称グルテン過敏症の人に対し、「このパンはグルテンはいってるよ/ はいってないよ」という情報と、実際にグルテンが入っているか入ってないか、という4つの組み合わせでランダム化し、パンを食べたあとの消化器症状を調べたもの。
結果は「このパンはグルテンはいってるよ」という事前情報こそが症状発現に重要だった。
ということは・・・?!
3: 職場で座位時間を減らす介入
公務員に対し、指導なし、指導あり、指導あり+高さ調整できる机、という3群を検討したクラスターRCT。
結果は、高さ調整できる机によりなんと1日1時間近くも座位時間を減少できた。
こんな画期的な介入は、本当になかなか見られないもの。
すぐにでも高さ調整できる机を買おう!
4: 間欠性断食は内臓脂肪を減らすか
今流行りの間欠性断食、やる時間のタイミングによって内臓脂肪が減るかどうか検討したRCT。
結果は「効果なし」であったが、体重は3ヶ月で3kg程度の減少。それなりにadherenceは高かったもよう。
一方で、2500人中RCTに組み込まれたのはたったの200人。
どれだけ一般化できるんでしょうね。。
5: メトプロロールはCOPDの増悪予防になるか
心不全で使われるβ遮断薬の内服が、COPDの増悪予防にもなるか、という意味不明な研究。
なぜこの研究が行われたのかも不明、なぜNEJMなのかも不明。
極め付けは、この研究のfunderが国防省ということ。
何か大人の事情でもあるのだろうか。
とても秀逸な論文セレクトでした。
それぞれの論文で、学ぶべきことがたくさんありました。
来週も楽しみです。
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論文読みは、主要なポイントを踏まえ、criticalとなりうるバイアスを把握することこそが大事。
そのためには、枝葉の情報を短時間で取捨選択できるようになることが肝心です。
毎週やってきますよ!
ではまた。