論文速読会はじめます
あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いいたします。
新年早々、新しい試みを始めます。論文速読会です。
医学論文を批判的に読める能力は、研究者だけでなく医療従事者にも必須の能力となってきています。
これはポイントさえ押さえれば、それほど難しくないと考えています。論文への暴露を集中的に増やすことで、この能力を最短で得られるという仮説をもっています。
このメルマガでは、この取り組みを説明します。興味を持たれた方は、最後のapplication formから申し込みください。
論文の批判的吟味にはポイントがある
ほとんどの医学論文、疫学論文は、「因果関係」を示すことを目標にしています。しかし、RCTでない限り、簡単に因果関係は言えません(RCTでも難しい部分があります)。
このような論文を読む上で、もっとも重要な視点は「バイアスがかかっていないか」というものです。明らかなバイアスがかかった論文は、著者らの結論を信頼できないケースがあります。
バイアスの検出、それによる正しい解釈。これを論文の批判的吟味といいます。
私は予防医療を専門として日々論文を読みますが、読み慣れていることもあり、だいたい10分くらいで要点を掴んでいます。これはそんなに大それた技能ではないですが、それなりのトレーニングを積んだ成果です。
一方で、ハーバードの授業などを通し、論文をきちんと読めていない方がとても多いことを知っています。この能力を是非多くの方に取得してもらいたい、という強い気持ちがあります。
そこで、短期間に集中的にそのようなプラクティスを行うことで、批判的吟味をする能力を養う、というプロジェクトを思いつきました。
論文速読会の概要
どのような会かというと、「週一回120分、本気で集中して論文を6本読む」というものです。詳細を説明します。
1クール8週間とし、6-10名程度募集します。そのうち6名が輪読会で論文を発表します。一人10分発表、5分Q&Aです(15分*6論文、ということです)。残り30分はバッファーです。最初のうちは私が進行を担当しますが、できるようになった方には順次お願いしていきます。輪読会参加者は必ず120分参加し、他の人の論文を読み、バイアスの指摘をします。Q&Aは基本的にその指摘コメントをピックアップする形にします。
担当者は、1週間のうちに論文を読み、主要なバイアスのポイントを同定します。そして輪読会前に、誰でも(研究に無知な人でも)わかるような「論文解説記事」を作成し、チームに共有しておきます。発表スライドは作ってはいけません。論文解説記事ともと論文をもとに、輪読会で発表を行います。
なお、作っていただいた論文解説記事は、私が開発しているアプリ(2月にリリース予定)で公開させて頂きます。実際のレスポンスをみることが、よりよい刺激になると考えています。
論文のテーマは、こちらで指定します。基本的に予防医療領域に限って行います(私の専門なので)。論文の検索方法をメンバーに共有し、そこから好きな論文を選んでもらいます。論文アクセスがなければ私がダウンロードして共有します。
slackのグループを作りますので、そこでのやりとりは自由です。論文を読んでわからない箇所や輪読会後の残った疑問点など、私への質問も自由です。
論文を批判的に読む際に注意すべきポイントは、あらかじめまとめた資料をお送りします。
自分で勉強したり論文を読んだりしても、なかなかこの能力は向上しません。しかし、8週間 * 6論文 = 48論文をしっかりと吟味すれば、相当レベルが上がります。その次は教える番になります。クリアした方には同じような速読会を開催してもらい、この集まりの規模を広げていくことも視野に入れています。
参加するには?
この輪読会の第1期生を募集します。下記のような方を募集します。
・週1回、1つの論文を批判的に読み、一般読者向けの論文解説記事を作成することにコミットできる方
・輪読会が行われる土曜朝10-12時に、8回中最低7回は参加できる方(土曜勤務の方もいらっしゃると思いますが、少なくとも15分の自分の発表には参加できる方を募集します)
・予防医療領域の論文に関心がある方
最初無料で行うことを考えていましたが、むしろ多少お金を払うことがコミットする理由になると学びました。第1期生はテストフェーズなので、8週間で4980円とします。金額の割に、かなり良い学習体験が得られることは間違いないかと思います。
以下のGoogle Formよりお申し込みください。6-10名程度、しっかりコミットできそうな方を厳選して選ばせて頂きます。この試みがうまくいった場合、2期生3期生と続けていきますので、今回選ばれなくとも落胆せず、是非メルマガを引き続きチェックください。
2025年、是非新しい技能を身につけてみませんか。一緒に勉強できることを楽しみにお待ちしております。
ではまた!