速読会、2期生募集です
速読会を初めて1ヶ月以上経ちました。
色んな経歴の方10人に参加して頂きましたが、「週に1度、予防医療の論文を集中的に読む」という趣旨で行い、非常に効率的な学習効果が得られています。受講生の満足度もとても高いです。
一方で、始めた頃には分からなかった改善点が浮き彫りになってきました。
これらを赤裸々に紹介していきます。
2時間に6本読むという取り組みには相当な集中力を要する
当たり前・・なのですが、見ず知らずの論文をこの量消化するには、かなりの集中力を要します。
事前にサマリーを作成してもらっていますが、実際の速読会では論文の細かいところまで吟味しています(20分で)。
日本時間の10時からやっていますが、私のタイムゾーンだと夜8時。集中力を保つためコーヒーを飲んでから臨んでいます。
これだけやりきると、毎週爽快感が得られます。しかしその後なかなか寝つけません。健康のためにはお勧めしません・・
ですので、日本時間の午前という今のスケジュールは良い設定だったと思います。これは変えずにやっていこうかと考えています。
1クール8週間は長すぎた
こちらの大学院では1クール8週間のため、そのような設定で1期生を募集しました。が、仕事をしながら速読会をこなすのは、やはり大変です。4週間がちょうど良い長さかと思いました。
8週間としたのは、いろいろな研究デザインの論文を読むことを目標としていたからです。
しかし、観察研究を読みこなすのはなかなか難しいです。
そもそも観察研究でなにをやっているかは、研究経験が結構ないと、なかなかわかりにくい部分もあります。
これを踏まえ、2期生からは「1クール4週間」でやることとしました。
結局RCTがわかればよい
研究者でない限り、予防医療のエビデンスを知るという観点では、基本的にはRCTさえ読んでいればよい、という思いに至りました。
私含めほとんどの研究者は観察研究を行うため、そちらに親和性が高いですが、それは研究者の話。
「論文の読み方を学ぶ」「予防医療のエビデンスを知る」という目的には、観察研究を題材にすることは、あまり利点がないと思いました。
メタ解析は重要ですので扱いますが、メタ解析を読む上では「いかにそのメタ解析がディティールを無視しているか」ということに気づけるかが大事であり、結局個々のRCTという話に帰結します。
ですので、スケジュールとしては、「3週間RCTのみ、1週間メタ解析」でやっていこうと考えています。
サステナブルとするには他の取り組みも必要
速読会はエントリー時に4980円頂いていますが、ファイナス的にはそれでは全く持続可能ではありません。
私が週に数時間コミットして、zoomやslackなどの経費がかかり、受講生が10人いても5万円/月です。
むしろお金を払っていただくのは、「1クールコミットするきっかけを作ること」という主眼があります。
ですので、この取り組みを持続的にやっていくには(それを所望しています)、他の取り組みが必要です。
自分にはスモールビジネスの才覚がないことを自覚しているので、運営は「速読会を修了した方」と相談しながらやっていこうと決めました。
修了生が株主みたいな形になって、このコミュニティを拡大していこうという構想です。
どなたでも応募ください!
他にも反省点が多々ありますが、速読会自体は本当に順調にいっています。
自分も読んだことのない論文がたくさんあり、多くのことを学んでいます。
是非この取り組みを継続的にやっていきたいと思っています。
「難しそう・・」という印象があるかもしれませんが、実際そんなことありません。
論文(RCT)を読むにあたっては、専門的な知見は全く必要ないと考えています。「ランダムにわりふった」ということだけわかれば、あとは中学生でもわかる論理です。
論文がきちんと読めるようになりたい方、科学的な予防の知見を深めたい方、是非一緒にやりましょう!
ではまた!